【連載執筆】季刊自然栽培vol.11(東邦出版)

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季刊『自然栽培』最新刊。連載の「見えないものを見る」で、アイヌ文化継承者の 小川基さんを取材しました。
基さんの名前は「基本的人権」に由来してつけられたという。それはアイヌ民族としての願いが込められたものでしたが、当然のことながら本人にとってアイヌは自ら望んでなったものではなく、葛藤を抱えて生きてきたといいます。
アイヌというものから逃れたくて渡った先の沖縄で、アイデンティティと向き合うことになったことが現在の基さんを形作っています。
先住民族というと、どうしても‟民族”とひとくくりにされますが、そこには確実に個人が存在していて、一人ひとりの考えていることは当たり前に違う。

実は基さんには4年前に札幌に行ったときにはじめて会いました。
はじめはものすごく怖かった。
何時間もかけて話をするうちに打ち解けて、初対面のぼくは基さんの家に2泊もさせてもらうことになった。
鍋をつつき(冬だった)、酒を飲み、夜通しいろんな話をした。
「少数民族のアイヌとして、いま目指すことは?」と訊いた。
基さんは正直な思いを吐露してくれて、ぼくはなんだか基さんを好きになった。

この3日間で、基さんは「アイヌは二度訪ねてきたやつしか信用しない」とも言った。
4年越しに二度目の訪問が叶い、取材させてもらったのがこの記事です。
基さんは、4年前に模索していた「少数民族のアイヌとして、いま目指すことは?」の答えを確信していた。

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