考察を深め合うラボ ~「Local write#06」(その4)

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2017年11月末に「Local write#06」を千葉県いすみ市で開催しました。
ぼく自身、気づきや感じたことの量がこれまで以上に大きかったので、忘れないように何回かに分けて記しておこうと思います。
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→(その3「知識を頭で自覚することよりも、学びを体で消化すること」

前回、「文章も含めて、あらゆる創作物は‟なにを食べて、どう消化するか”(なにを考え、どう解釈するか)というプロセスの結果だと思う」と書きましたが、「Local write」は、まさにこの部分にフォーカスしたワークショップとなっています。

決まったやり方で、決まったノウハウを教える講座の場合は、教える側にとっても少ない負担で進めていけるものです。

しかし、わざわざ「教えない」という、揺らぎの大きなワークショップ形式で進めていくのはなぜかというと、ぼく自身が誰かに手取り足取り教えてもらったことが無かったし、それが自分自身が考えを深めることになり、とてもよかったと感じているからです。

なにより、参加者は毎回全員違うのだから、それぞれの参加者にとって必要なことは一人ひとり違うという理由もあります。

「Local write」のワークは、基本的にインタビューや執筆の実践現場の要素を分解して組み立てています。

4人から6人までの少人数で、ひとつの机(机を繋げて島にしている)でラボのように学び合うスタイルは互いの思考を触発しますし、そのとき交わされる各自の意見や考えは、すべて自ら手を動かしたことから生まれた「実感のこもった言葉」です。これが前述の、参加者それぞれの学びの言葉となっていくわけですが。

ぼくも何を話すかは事前に決めておらず、参加者と同じく差し出された材料に触発されてその場ですべてにフィードバックしていきます。

ここでのやりとりは、普段、ぼくがインタビュー取材を終えた道すがらに、同行した編集者やカメラマンと、取材で感じたことや意見を話すことで考察を深めていく工程にとてもよく似ています。(この時間がアウトプットに大きな影響を与えます)

今回の「Local write#06」も、みんなの学び合いの精度と知的な刺激がうれしくて、ずっと笑っていたような気がします。

ワークの種類はこれまで「Local write」の回数を重ねるごとに、数が増えていきました。なのでいつも、ひとつのワークを行っているときに同時に「目の前の参加者にとって最適なワークはどれだろう?」と考えながら次のワークを選んでいます。

参加者の発言などが思考の種になって、その場でワーク自体を考えて行うこともありますが、そうやって生まれた新しいワークが次回開催の「Local write」にも繋がっていくというのが、ぼくにとって面白い部分でもあり、このようにして今後も、開催期までもまたいで参加者同士が‟考察を深め合うラボ”にしていきたいと思っています。

(つづく)

◆開催パートナー・地域の募集◆
『ローカルライト』は、3泊4日で行うインタビューとライティングの地方滞在型ワークショップです。参加者はインタビューとライティングについて学び、まちに触れ、人を知り、仲間を作り、最終的に原稿を仕上げていきます。これまでに、関東、関西、北陸、九州(2018/1月時点)で開催してきました。
まちにとっては取材対象とまちそのものを公報し、開催地と縁のある人を増やすという側面があり、参加者にとっては地域での暮らしや仕事を知り、書き手としてのスキルを育むという側面があります。
たとえば、「外部の目線で地域を発信したい」「webマガジンで公報したい」「地域の刊行物を作りたい」「地域の食に光を当てたい」というニーズがあり、開催に興味をお持ちの方は、ぜひこちらからお問い合わせください。※主催される地域の方の参加ももちろんOKです。

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次回の開催等をこちらのfacebookページでも告知しますので、どうぞご確認ください。

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