第10回開催(2024/8/3-6)レポート 長野県塩尻市

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2024年8月3日(土)~6日(火)の4日間、三地編集室と一緒に
「writer in 産地」 として長野県塩尻市で開催した回のレポートです。

塩尻市の木曽平沢地区は、木曽漆器の産地や国の重要伝統的建造物群保存区域としても知られる今も残る美しい「重伝建」と「漆工」の町です。

初日の8月3日は夏らしいとても暑い日。
各地から集まったのは、民芸や木曽漆器に興味関心があり、それを文章で発信していきたい6名の参加者。ちょうどこの日は1年に一度のお祭りの日で、山車や神輿が通りを賑やかに駆けていました。

プログラム会場は「日々別荘」という、大正末期から昭和の初めに建てられた和洋折衷の上品な建物。今回は助成もあり、参加者は別途費用負担なしで寝泊まりさせて頂く事が出来ました。

人が集まっていることもあって日中は暑い時間もありましたが、朝晩とても涼しく、時には通りから聞こえる祭り囃子をBGMにして、心地よくプログラムが進んでいきました。
インタビューとライティングというプログラム特性もあって、初日から少しずつ打ち解けていく参加者たち。初日から質問もたくさんで、こちらも引き締まりました。

2日目。
3泊4日のプログラムといえば、なかなか時間的余裕があるように感じるかもしれませんが、実は全然そんなことはありません。まだ始まったばかりの2日目とはいえ、あすの3日目には木曽漆器の職人さんやまちづくりに携わる方へのインタビューが控えているからです。

この日もインタビューやライティングをしたり、さまざまな事例を知ることで、その楽しさや難しさを参加者それぞれが感じ取っていきます。インタビューのパートでは、すごく和気あいあいと話が弾んだように見えても、記事にしてみようとすると大事なことを聞けていなかったり、自分自身でも一見得意に見えている事が実はそうでなかったり、「ですます」で書くことが苦手だと思っていた参加者が、苦手だからこそ語尾の工夫があってリズム良く読める文章を書いたりと、気づきがたくさん。

虫の音が心地よく響く歴史的建造物での合宿2日目の夜は、地域の料理人の方がまるでコース料理のような滋養に満ちた食事を作ってくれました。
民藝を好きな参加者が最終原稿で「民藝の器は器だけで存在しているのでなく、食事と切っても切り離せない」と書きましたが、今になってそんなことを思い出す食事でした。
料理をキッチンから運んでくれる息子さんも可愛かった。夕食後も自主的に原稿を書き進める参加者たち。いよいよ明日の3日目は、本番のインタビューです。

3日目。
昨夜は夜遅くまで原稿書きをがんばった参加者もいた様子。その原稿についてのフィードバックにたっぷり時間を使うとあっという間にお昼過ぎ。
信州らしい涼しげで立派な建物の蕎麦屋に行き、昼食を済ませ、午後からの木曽漆器の職人さんらの取材に備えます。

それぞれの取材先に向かうのですが、メインの通りは木曽漆器の製造所や直売店が軒を連ねているので、すべて歩いて行けてしまうという楽ちんさ。その近さゆえに、心の準備が整わない参加者もいたかもしれませんが。。

こうして職人さんらへの数時間の贅沢な取材を終えた参加者たち。なかには作業の様子を見せてくれながらお話をしてくれた職人さんもいたりして、本当にみんな「楽しかった!」というのが笑顔から聞こえてくるよう。

集中と緊張から開放されると、そう、空腹です。この日は当プログラムと同時開催の職人インターンプログラムに参加しているみなさんとも一緒にバーベキュー。交流を楽しみ、早めの夕食後は取材の熱が冷めないうちにすぐさま原稿と向き合う時間に。最後の夜は長い夜になりました。

4日目。
いよいよ最終日です。朝食を食べ(参加者自作のシリアルも4日間おいしく頂きました)、昨日取材したばかりの原稿に引き続き取り掛かります。質問への回答やアドバイスなどもさせて頂きながら、凛とした時間が流れていきます。

外からは夏の虫の音が気持ちよく響きます。貴重な時間はあっという間。まとめのお話などしつつ、4日間のプログラムが終了

昼食にはみんなで車で出かけた先の宿場町を歩いたあと、やはりお蕎麦屋さんへ。再会を誓い合って、小さな駅から出る車両を見送りました。

なお、参加者の書き上げた素晴らしい原稿は、近日「三地編集室」のWEBにて公開される予定です。こちらも公開次第、シェアしていきたいと思いますのでぜひご覧ください!

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