特集は「食で治す」です。
食べたものが体を作るのは事実なのだけど、以前聞いた生物学者の福岡伸一さんの話によると「排泄物は食べ物のカスなのではなく、人間のカスなのだ」そうで、より納得。入口と出口を意識すると全部繋がっていることがよくわかる。「食で治す」もそういう流れの一環。
発刊時から書いている連載の『見えないものを見る』では、「死生観を持つべき」と話す看取り士の柴田さんを愛知で取材。その帰り、書店でたまたま手に取った新書の冒頭で美術家の篠田桃紅が「私には死生観がない」と語りかけてきた。文献を漁るほどに洋の東西でも異なり、日本でも地域や身分によっても多様に異なる死生観というテーマで、苦労の分だけ印象的な仕事となりました。